ILSI Japan   特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構
 

特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構(ILSI Japan)は1981年に設立され、ILSIの一員として世界的な活動の一翼を担うとともに、日本独自の問題にも積極的に取り組んでいます。

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CHP(Center for Health Promotion)
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CHPの目的
 ILSI Japan CHPは、日本の産・官・学界に蓄積された栄養学、公衆衛生、医学、衛生環境分野における科学的知識および技術を、国内および世界的に共通な課題の解決に活用し、社会貢献を行うことを目標としている。現在、Project PAN、Project IDEA、Project SWANの3つのプロジェクトを進行している。

これまでの主な活動
Project PAN
     健康な高齢期を迎えるため、働きざかりの人々の肥満をはじめとする生活習慣病を予防し、また高齢者の寝たきりを防止するための、科学的根拠に基づいた運動と栄養を組み合わせたプログラム「LiSM10!®「TAKE10!®を開発した。
 介護予防プログラムTAKE10!® は、より使いやすい冊子の形にまとめ、大規模介入研究による効果の実証を経た上、改訂等を加えて、既に2万5千部超を発行している(公共団体、福祉施設、個人による購入を含む)。また、各地からの要請を受け、東京、神奈川、青森、山形、長野、岐阜、愛知、島根、福岡等で講演を行っている。

 東京都墨田区内6会場でスタートした介護予防プログラム 「すみだテイクテン」は、2007年度の第3期を実施中である。この「すみだテイクテン」は、ILSI Japan CHPのスタッフが直接、受講者に指導を行っているが、地方の自治体からの要請に応えるものとして、自治体の人材と住民ボランティアの活用を柱とした、もう一つのTAKE10!® モデルも導入している。一昨年6月に愛知県扶桑町で始まった「ふそうテイクテン」では、住民主導の「テイクテンボランティア」が発足し、自治体の保健師と協力して活発に地域の健康推進活動を行っている。


また、島根県津和野町では、津和野町シルバー人材センターが平成19年度シニアワークプログラムとして、「TAKE10!®プログラムを活用した介護予防リーダー養成講座」(6日間)を開講し、同センターの委託を受けてILSI Japan CHPスタッフが講師を務めた。



 職域における生活習慣病予防プログラムLiSM10!®は、サントリー株式会社、明治乳業株式会社の5工場での介入試験を経て、現在、株式会社ニチレイフーズでの最終的な介入研究を進め、効果が検証されている。このLiSM10!®の医療費削減効果のシミュレーションを行うと、リスク者1000人を対象に5年間実施した場合、従来の保健指導法に比べて1億8千万円の医療費削減を見込める結果となった。今年度の「40歳以上の被保険者への保健指導義務化」に焦点を合わせ、厚生労働省のガイドライン「標準的な健診・保健指導プログラム」に則った保健指導プログラム「LiSM10!®」を事業化するための準備が順調に進んでいる。
     
  Project IDEA
     アジアの発展途上国で深刻な公衆衛生上の問題である微量栄養素の摂取不足による健康障害のうち、鉄欠乏性貧血症を鉄による食品強化により撲滅する活動を進める。それぞれの地域の食生活パターンに合わせて、市販されている主食や調味料に有効な鉄分を添加し、毎日の食事を通して鉄分を補給することにより、鉄欠乏性貧血症を予防する活動を行っている。
 すでに、中国においては国策として、体吸収率の高いキレート鉄(NaFeEDTA)で強化した醤油が流通しており、ベトナムにおいても鉄強化魚醤の生産が開始された。
その他、フィリピン、カンボジアでも各国公的保健機関との協力の下、活動が進行している。
 カンボジア政府はキレート鉄を用いて、2007年から鉄強化魚醤を市場に導入することを決定した。ILSI Japan CHPは生産管理・品質保証・罹患率の評価等の分野で技術指導を行う。2007年1月〜3月にはアンコールチェイ地方カンポット市の村をモデル地区として貧血の罹患率に関する実施調査、首都プノンペン市では、品質保証に関する技術指導のワークショップを実施し、管理者へのトレーニングを行った。カンポット市では2007年3月、鉄強化魚醤の生産が開始され、シェムリアップ市及びプノンペン市でも8月に鉄強化魚醤及び醤油の生産が始まっている。
 フィリピンでは、主食であるに着目し鉄分を強化する研究を進めてきた。硫酸第一鉄あるいは微細ピロリン酸第二鉄(Sun Active)の鉄強化米において、貧血改善効果があることが実証され、一連の研究に基づく新たな技術の導入の第一歩として、マーケットトライアルをマニラ近郊で実施するための準備をしている。
     
  Project SWAN
     公共水道水の供給が今後も見込まれていないベトナム北部の農村地域に安全な水を確保するため、JICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型) の基金を得、ベトナム国立栄養研究所(NIN)と共同で、「住民参加による安全な水の供給と栄養・保健環境の改善事業」を実施している。
 ベトナム北部の3か所のコミューン(タンヒエップ(ハノイ)・ダイモ(ハノイ)・クワンチュン(ナンディン))をモデル地域として、約2,500世帯を対象に活動している。安全な水を確保するために、(1)住民が水・栄養・保健衛生に関する知識を得、家庭レベルで実践する、(2)水処理施設の運転を最適化し、安全な水を供給する、という双方の視点から活動を進めた。その結果、水質が改善され、水の供給量が増加し、住民の衛生管理意識も向上した。さらに、(3)持続的な活動のための仕組みづくりから評価に至るまでを住民の参加を得て実施し、コミュニティーベースの継続的な安全な水供給システムのモデル作りを行っている。
     

進捗と今後の計画
Project PAN
     介護予防プログラム 「すみだテイクテン」は、現在、修了者対象のフォローアップ講習会(全54回)、及び新規募集者向けの第3期(全30回)を実施している。今春スタートの第4期も計画中である。さらに、今年度は、他のいくつかの地方自治体で、「ふそうテイクテン」モデル(指導者養成型)の普及を計画している。津和野町の行政とシルバー人材センターの取り組みも、引き続き支援していく。また、新たな付属教材として料理レシピ集「TAKE10!®かんたんごはん」の開発を行ったが、その使い勝手や効果を検証する。  
 生活習慣病予防プログラムとしての保健指導プログラム「LiSM10!®」は、株式会社ニチレイフーズにおいて現在進行中の第3期介入研究で、介入群における多くのリスクファクターの改善が認められ、2008年1月の病態栄養学会で途中経過を発表した。今後の普及に向け、LiSM10!®カウンセラーの育成のための効果的な研修の企画、マニュアルの整備と共に事業化のための最終調整を迅速に進めていく。
     
  Project IDEA
     カンボジアでは、カンポット市、シェムリアップ市・プノンペン市に引き続き、今後、カンボジア全土での鉄強化魚醤および醤油の普及を目指す。普及に伴って、住民への啓発活動を推進し、鉄強化魚醤および醤油の市場での品質保証システム、鉄欠乏性貧血症の改善を監視するシステムを確立する。
 フィリピンでは、開発された鉄強化米をテスト的に上市し、全国展開の準備をする。鉄強化米はベトナムおよびカンボジアでも関心が高まっているので、導入の可能性を検討する。
     
  Project SWAN
     タンヒエップ村の水処理施設改造工事後、水質は改善され安定していることを確認している。同様に、順次、ダイモ、クワンチュンにて活動し、ベースライン調査・水処理施設の改造工事、住民の啓発等を行う。この3箇所のモデル地区での住民参加による安全な水の確保と栄養・環境の改善活動を完成し、他地区へ展開・普及できる新しい仕組み作りに取り組んでいく。



(2008年2月)
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