2005年10月からは、東京都墨田区で介護予防事業一般高齢者施策として介護予防プログラム「すみだテイクテン」がスタートし、4年間で600名以上の方々が参加しています。毎年、人間総合科学大学の熊谷修先生の全体講演会を皮切りに、6地区5回ずつ計30回の講習会を開催しています。「すみだテイクテン」の介入効果は、2006年、2008年の日本公衆衛生学会で発表を行いました。また、2007年度からは、講習修了者の「継続して教室を開催して欲しい」という声に応え、月1回のフォローアップ教室も開催し、好評を得ています。
この「すみだテイクテン」は、ILSI Japan CHPのスタッフが直接、受講者に指導を行っていますが、地方の自治体からの要請に応えるものとして、自治体の人材と住民ボランティアの活用を柱とした、もう一つのTAKE10!®
モデルも開発しています。島根県津和野町では、津和野町シルバー人材センターが、平成19年度と20年度にシニアワークプログラムとして、厚生労働省から受託した「TAKE10!®プログラムを活用した介護予防リーダー養成講座」(6日間)を開講し、同センターの委託を受けてILSI
Japan CHPスタッフが講師を務めました。その結果、23名の「TAKE10!®介護予防リーダー」が誕生し、行政とともに「つわのテイクテン」の実施に向けて活動を始めています。平成20年度からは、島根県益田市シルバー人材センターでも「介護予防リーダー養成講座」を開講し、21年度から「ますだテイクテン」がスタートする予定です。
また、自治体等の指導者や介護予防活動リーダーがTAKE10!®を用いて介護予防教室をスムーズに開催できるように、指導者用マニュアル、体操指導用DVD、資料、表示サンプル、ポスター、冊子からなる指導者用マニュアルパッケージを作成しています。さらに、新たな付属教材として、2008年にはJ-milk(社団法人日本酪農乳業協会)の協力により料理レシピ集「TAKE10!®かんたんごはん」を発行し、2009
年春には、日本コカ・コーラ株式会社の製作協力により、DVD応用編を製作しました。
安全な水の供給と栄養・保健環境の改善(Safe
Water and Nutrition)
WHOの報告によると、安全な飲料水の供給を受けられない人の数は、全世界で11億人に上るといいます。多くの途上国において、不衛生な水の摂取や保健衛生環境の不備は、特に子供が下痢や感染症を繰り返す要因になっています。このような状況は、食事の適切な摂取を妨げ、栄養不良の問題にもつながり、また、水処理設備はあっても、汚染物質を取り除くための適切な設備がなく、薬品の注入も管理されていないため、処理後の水でさえもWHOの基準を上回る微生物・化学物質が検出される例が多いのです。
公共水道水の供給が今後も見込まれていないベトナム北部の農村地域に安全な水を確保するため、JICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型))の基金を得、ベトナム国立栄養研究所(NIN)と共同で、3年間にわたり、「住民参加による安全な水の供給と栄養・保健環境の改善事業」を実施しました。
ベトナム北部の3か所のコミューン(タンヒエップ(ハノイ)・ダイモ(ハノイ)・クワンチュン(ナンディン))をモデル地域として、約2,500世帯を対象に活動しました。安全な水を確保するために、1)
住民が水・栄養・保健衛生に関する知識を得、家庭レベルで実践し、2) 水処理施設の運転を最適化し、安全な水を供給する。という双方の視点から活動を進めました。その結果、水質が改善され、水の供給量が増加し、住民の衛生管理意識も向上しました。さらに、3)
持続的な活動のための仕組みづくりから評価に至るまでを住民の参加を得て実施し、コミュニティーベースで、継続的、かつ安全な水供給システムのモデル作りを行いました。
2008年11月に、大きな成果を得て3年間のプロジェクトが成功裏に完了しました。報告書は外務省の支援により、「Project
SWAN - Safe Water and Nutrition」として発行しました。